クリニック所在地

〒171-0022
東京都豊島区南池袋2-26-5
アイアンドイー池袋ビル9階
※池袋駅東口より南池袋公園に向かって徒歩2分

電話番号03-5949-6119

月 火 水 金曜日

午前 09:00〜12:30

木曜日

午前 09:00〜11:00

月 火 水 金曜日

午後 03:00〜06:30

休診日:木曜日午後、土曜日

日曜日、祝日


腎臓の働きが正常の10分の1以下になると、尿に排泄される毒素が体にたまってしまい、尿毒症という状態になります。尿毒症を治療するためには、人工的に血液をきれいにする「血液浄化療法(人工腎臓)」と、他の人から腎臓を提供してもらい移植手術を受ける「腎臓移植」のどちらかが必要です。尿毒症では食欲がない、食べられない、吐き気がする、集中力がない、全身のだるさがある、動悸や息切れがする、横になると胸が苦しい、顔や手足がむくむ等の症状がでます。

人工腎臓には血液透析と腹膜透析があり、腎移植には生体腎移植と献腎移植があります。日本では人工腎臓の治療を受けている患者さんが約34万人おられ、日本の人口の370人に一人の割合です。

これから初めて透析治療を受けられる方は、いろいろな不安があると思います。以下に血液透析と腹膜透析について解説しました。透析治療について知っていただき、少しでも不安を少なくするためにお役に立てば幸いです。

血液透析とは

① シャント(バスキュラーアクセス)

血液透析療法をはじめる前に、手術により「シャント」を作製します。ご自身の体からの”血液の取り出し口”と血液の”返却口”を確保するためです。手術は局所麻酔でおないます。利き手と反対側の腕につくるのが一般的です。

② ダイアライザ

血液透析には「ダイアライザ」と呼ばれる医療器具が必要です。この中で血液をきれいにします。これは1回毎に使い捨てです。血液はこの中を1分間に200mL〜300mL程度の速度でながれます。

③ 透析液

ダイアライザ」の中に血液と接触させる「透析液」と呼ばれる液を血液と反対向きに流します。透析液は大量に必要で、一人の患者さんに1回の治療で120Lほど使用します。この透析液のために、大変「大掛かりな設備」と「」が必要になります。

④ 血液透析の装置

血液透析をおこなうためには、水をきれいにするための装置「水処理装置」と透析液を作る装置「透析液供給装置」、そして患者さんの治療をベッドサイドで見守る装置「患者監視装置」などの設備が必要です。患者監視装置には血液を体の外で循環させるための「血液ポンプ」を内蔵しています。また、体からの過剰な水分を取り除く「除水」という大切な役割を担う仕掛けが組み込まれています。

⑤ 抗凝固薬(血液凝固阻止薬)

血液を体の外に取り出して循環させることを「体外循環」と呼びますが、体外循環をさせると血液は固まろうとします。そこで血液が固まることを防止するお薬を使用します。一般にはヘパリンという薬が使用されます。

腹膜透析について

血液透析のようなシャントは必要ありませんが、手術をしておなかにカテーテルと呼ばれる管を入れます。

この管を通しておなかの中に1.5〜2L程度の腹膜透析用の透析液を流し込みます(注液操作)。すると腹膜と透析液が接触している間に、体の中の毒素が血液中から腹膜を介して滲み出してきます。数時間後にその毒素を含んだ透析液を体の外に取り出し(排液操作)、また新しい新鮮な透析液をおなかに注入します。この時に「バック交換」と呼ばれるつなぎかえぎかえの操作を行います。これを繰り返して行う治療法です。操作方法を練習していただき、ご自分で操作ができるようになれば、病院に通院する頻度は1ヶ月に1回程度ですみ、自宅で治療が可能です。また環境が許せば職場でのバック交換も可能です。透析液は患者さんの自宅に配送されます。

人工腎臓で代行できる機能とできない機能があります

人工腎臓で腎臓の働きのすべてを代行することはできません。人工腎臓で代行できない部分は、食事療法や薬物療法に頼らざるを得ません。

透析医療における医療費について

人工透析を受けることになった腎不全患者さんは、健康保険の高額療養費制度で、自己負担限度額を一医療機関あたり月額1万円(高額所得者は2万円)にする制度があります。高額療養費制度とは、窓口で3割の自己負担額を一旦支払い、後日保険者に請求すると一定額を超えた額(所得により異なります)が返金されるものです。ただし「特定疾病療養受療証」の取得手続きをすることで、この返金手続きなしで窓口での自己負担額が1万円になります。さらに東京都では、都内にお住まいの方に対して、このうち1万円までの自己負担額を助成しています。東京都以外でも各都道府県ごとに自己負担分を助成する制度があります。